こんにちは。
Madoriです _φ(・_・
写真は、マティスの「ロザリオ礼拝堂」の十字架。
先端に金の炎と三日月をあしらった鉄製十字架です。
この十字架を見ていると、礼拝堂を訪れた時の温かい気持ちが蘇って心が穏やかになります。
今日は、そんな温かい気持ちのおすそ分けになれるような記事になればいいな…という想いを込めて、訪れた時の記事を書いてみようと思います。
ヴァンスについて
Vence(ヴァンス)
フランス
プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域
アルプ=マリティーム県
ニースからヴァンス行きのバスで1時間10分。
平日は30〜45分ごとに便があるので、アクセスしやすい場所です。
こちらは、ヴァンスの位置。
私たちは、トゥーレット・シュル・ルーから車で訪れました。
10分ほどで着きました。
トゥーレット・シュル・ルーについての記事はこちら
ヴァンスは、行けたらいいね!くらいにしか考えておらず、サンポール・ド・ヴァンスとトゥーレット・シュル・ルーでかなり時間を費やしたため、今回のドライブでは諦めていました。
ところが、マダム。
「ロザリオ礼拝堂は絶対に行ったほうがいい!!」
と、いうことで近いので訪れることにしました。
レンタカーの返却時間も気になる時間になっていたので、ロザリオ礼拝堂だけ。
マダムがロザリオ礼拝堂まで道案内してくださいました。
マティスのロザリオ礼拝堂
La Chapelle du Rosaire
ロザリオ礼拝堂
場所
小さな街外れに小さな白い壁と青い屋根の建物があります。
それがロザリオ礼拝堂です。
純白の壁が際立つ教会
地図はこちら。
アンリ・マティス通り沿いにあります。
ヴァンスの旧市街から礼拝堂までは、歩いて25分。
けっこう歩きますね。
サンポール・ド・ヴァンスとトゥーレット・シュル・ルーの村の中をかなり歩いたので、ここは車で訪れて本当によかったです。
ヴァンスの旧市街はサンポール・ド・ヴァンスほど観光地化されておらず落ち着いた雰囲気のようです。
旧市街の街歩きは残念ながらできませんでしたが、落ち着いたサンポール・ド・ヴァンスを巡ることができたので良しとしました。
ヴァンスについての詳しい情報はこちら!
マティスの礼拝堂
建物、ステンドグラス、壁のタイルに描かれた絵、祭壇など全ての装飾をマティス自身が構想し手がけました。
マティスが創造エネルギーの全てをかけた集大成とも言われる礼拝堂です。
開館時間が変則的なので事前に確認することをおすすめします。
礼拝堂内の撮影と私語は禁止されています。
少しでもおしゃべりしている人がいると係員が注意していたので、とても静かな空間が保たれていました。
Henri Matisse(アンリ・マティス)
(1869 - 1954)フランスの画家
自然をこよなく愛し「色彩の魔術師」と謳われ、
緑あふれる世界を描き続けた画家であった。
彫刻および版画も手がけている
長年ニースに住んでいたマティス。
礼拝堂を手がけた時、すでに癌にかかっていたそうです。
晩年のある日、マティスが重い病に臥していた頃に彼の看護婦であったシスターのジャック・マリーと再会したマティス。
ここに礼拝堂が無い事を知り、全て無報酬で礼拝堂の設計を申し出たそうです。
この礼拝堂を作るのには4年かかり、その間、この仕事しかしなかったそうです。
マティスは日の出から日の入りまで太陽を観察し、光が自然に礼拝堂の中を照らすようにステンドグラスをデザインしました。
礼拝堂のステンドグラスの色は3色のみ。
黄:太陽
青:地中海と空
緑:植物などの自然
そしてステンドグラスの植物のモチーフ。
この植物はこの地方にある乾いた大地に生える木で、水がなくても花を咲かせ実をつけるため「命の樹」と名づけられ、不毛の地でも命が生まれる事を表現したのだとか。
こちらは購入したポストカードの写真です。
(右)祭壇の十字架
(左)ステンドグラス
礼拝堂内の真っ白な壁には、キリストの生誕から十字架への生涯が描かれました。
壁画も、長い竹の先に墨をつけてマティス自身が描いたそうです。
壁画の絵の写真は撮影禁止だったためブログには載せられませんが、最後の力を振り絞ったマティスの筆遣いが伝わってくるようで、観る人の胸をうちます。
それでいて重々しい宗教色は全く感じられず、居心地のいい空間を提供しています。
これは、実際訪れて観て感じていただきたい…そう思いました。
私は、この礼拝堂に足を踏み入れたとき、清らかな空間に心が浄化されるような、そして心の奥底から何か温かい気持ちが込み上げてくるような感覚に陥りました。
ご一緒したマダムは涙を流していました。
その涙に私ももらい泣きしそうになりました。
マダムは芸術家肌の方なので、私以上にマティスのエネルギーを感じとったのかもしれません。
少し話はそれますが、芸術家肌で思い出しました。
転職活動をしている時に行った職業適正診断。
「芸術家肌ってこんな人!」
芸術家肌のあなたは、平和を愛する人。
とても感受性が強く、周囲の人が穏やかでいてほしいと願っています。
世話好きで思いやりもあるので、あなたの身近な人はあなたを頼りにしています。
ただ、あなたはそういう一面とは裏腹に激しい性格も併せ持っています。
正義感が強くて、自分が正しいと思うこと以外はやりたくないと考えています。
なので、付き合う相手もしっかり選びます。
誰に対しても心を開くタイプではありません。
その一方で、いったん信頼した人には誠心誠意付き合います。
けっこう当たっています(笑)
ちなみに私もダンナさんも職業適正診断で芸術家肌という結果。
日本のサラリーマン、OLに向いていないですね(^_^;;)
礼拝堂が完成した4年後、マティスは生涯を閉じました。
この礼拝堂は、マティスがその死の先に残した「祈り」そのものだったのですね。
ヨーロッパに数多く存在する絢爛豪華な歴史ある大聖堂を見慣れている方には物足りなく感じるかもしれません。
ですが、明るい色に彩られたステンドグラスから差し込む南フランスの光に包まれると、この白くて小さな礼拝堂からは開放感も得られ、とても穏やかな気持ちになり、しばらくぼんやり座っていたくなります。
マティスの集大成、しっかりと目に焼きつけることができてよかったです。
ニースへ
マティスの礼拝堂をゆっくり観覧した後は、記念にポストカードを買いました。
そして名残惜しいですが、ヴァンスを後にしてニースへ戻ります。
美しい礼拝堂の近くの建物
帰りの道中もまたスリリングなドライブとなりました。
道に迷って、信号の無い円形交差点 「Rond Point(ロン・ポワン)」をグルグル。
円形交差点 「Rond Point(ロン・ポワン)についてはこちらの記事に書いています。
私は何度かハラハラしてしまいましたが、マダムの大らかさとダンナさんのアドベンチャー好きな性格に救われ、帰りの道中もスリリングながらも楽しい時間が過ごせました。
ニースに到着して、レンタカーを返却。
1日だけでしたが、お世話になったRenault(ルノー)と別れるのは名残惜しかったです。。。
ちなみに減ったガソリン代の分、請求されませんでした!
そんなに長い距離じゃなかったのもありますが、フランス最高〜。
レンタカーを返却した後、マダムが宿泊するホテルへ少しだけ立ち寄りました。
相乗りのお礼にと、前日ヴァンテミリアのマルシェで買い物をしたというドライトマトのお裾分けをいただきました。
ヴァンテミリアは、フランスとイタリアの国境を越えたイタリアの街です。
ニースから日帰りで行ける距離にあります。
マダムとも、そろそろお別れ。
「À bientôt! (またね!)」と言って再会を約束しました。
ニースで初めての外食
私たちは、トラムでホテルへ一旦戻り、一時間ほど休みました。
その後、ホテルからすぐ近くのカフェレストランでディナーをしました。
実は、渡仏してから初めての外食でした(笑)
滞在中はスーパーでバケットサンドやお惣菜を買って食べることが多かったです。
また、ホテルの朝食が充実しすぎていて、朝食をしっかり食べると昼食がいらないほどだった…といのもあります。
レストランは19時オープン。
ヨーロッパは全体的に日本より開店時間が遅めです。
さすがにこの日はお腹がペコペコでした。。。
適当に入ったお店でしたが、パスタの茹で加減以外はどの料理も美味しかったです。
フランスはパスタが茹で過ぎとは聞いていましたが、本当でした(笑)
ソースが美味しいのに勿体ない。。。
それにしても一品一品の量が多すぎて、パスタは二人で一品でよかったです。
スペインでも思いましたが、食事の美味しい国ではもっと大きな胃袋がほしいと思いました(笑)
レストランのムッシュは少し日本語も話せる陽気な方でした!
こちらがそのレストランです。
ホテルの屋上から撮影
あとがき
数回にわたって紹介させていただいた南フランス旅行記も残り少なくなりました。
そして、記事タイトルを「旅行記」から「滞在記」に変更しました。
私たちの旅スタイルには「滞在」のほうがしっくりくるような気がしたので(笑)
最後に、マティスが住んでいたニースのアパルトマンで締めくくります。
今回も、最後まで読んでいただきありがとうございました!
⇩⇩滞在記、記事一覧はこちら
次は、グレース・ケリーやF1で知られる「モナコ公国」です。
モナコは1記事にすると、とてつもなく長くなりそうなので数回に分けます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
À bientôt! (またね!)
Madoriでした (´ー`)
パリ滞在記
南仏滞在記