Madoriです!
私にとって重大な事実が発覚したため、スペイン滞在記より先にこの記事をアップさせていただきます。
前回の記事では、フランスのミュージカル映画について紹介させていただきました。
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陽気でお洒落なフランス発ミュージカル映画「ロシュフォールの恋人たち」の紹介
続きを見る
一人で観ていたときには映画の感動が大きすぎて細かい部分まで把握しきれていなかったのですが、土曜日にダンナさんとも一緒に観て驚いたことがありました。
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この双子の姉妹の母親でカフェを営むマダム役に、私がフランス映画史上最も美しいと思う女優さん Danielle Darrieux(ダニエル・ダリュー)が出演していたことを知ったのです。
左から3番目の帽子を被っているマダムです
初めて観たときにも、なんて可愛らしいマダムなんだろう。
どこかでみたことがあるような気がするけど思い出せない。
と、気にはなっていました。
ミュージカル映画「ロシュフォールの 恋人たち」に出演されていたとき(51歳)は、ちょうどこの頃だと思います。
ダンナさんと観終わったあとで改めて映画のキャストを確認して知ったのです。
なんと、私が恋い焦がれていた女優さんだったとは。
Danielle Darrieux(ダニエル・ダリュー)
本名: ダニエル・イボンヌ・マリー・アントワネット・ダリュー
1917年5月1日 - 2017年10月17日
ボルドー生まれのフランス女優。
現在まで110以上の映画に出演しているフランス古典派美人女優の代表格。
本名に「マリー・アントワネット」が含まれているところにも高貴さを感じます。
個人的な好みもありますが、私はこの人より美しい女性をこの世でみたことがありません。
国内外問わず最近は親しみを感じやすい雰囲気の女優さんが人気ですが、クラシック映画、特にパリを「巴里」と表記していた頃のモノクロ映画の魅力は、なんといってもウットリ見惚れてしまうような美しい女優さんが多いところではないでしょうか。
なかでも、ダニエル・ダリューは女性も惚れてしまうほどの気品を備えた圧倒的な美貌の持ち主。
昨年、2017年10月17日(日本時間18日) に、100歳で長い生涯を終えられたことを知りました。
仏女優ダニエル・ダリューさんが100歳で死去 「ロシュフォールの恋人たち」など : 映画ニュース - 映画.com
なぜ、半年も経ってから知ったのか。
この記事を読んで、なるほどと思いました。
10月20日、フランスの女優ダニエル・ダリューの訃報記事は小さかった。
しかも、通信社が流した顔写真はかなりの歳になってからのもので、若いころの美貌を想像するのは難しい。
日本の新聞の扱いの余りの「無関心さ」は、記者の教養の貧しさからきているものだろう。
念のため、ユーチューブでフランスのテレビ番組を検索してみたところ、どの局も過去の出演作の写真などを配して力をいれた追悼の番組にしている。
フランスと日本、やはり彼我の差は大きいようだ。
2017年10月17日(日本時間18日)といえば、私たちが日本を発ってスペインのマドリードに向かっていたときです。
おそらく私たちはその頃空にいました。
フランス上空も通過しました。
もしかすると、天に召されたダニエル・ダリューの魂と出会っていたのかもしれない。
そう思うと、何かこみ上げてくるものがありました。
ダニエル・ダリューに夢中になっていたのはもう随分前のことですが、彼女に出会ったときの衝撃は今でも鮮明に覚えています。
この映画です。
うたかたの恋(うたかたのこい、原題: Mayerling)
1936年のフランスの恋愛映画。『うたかたの戀』の表記もある。1889年に起きたオーストリア=ハンガリー帝国の皇太子ルドルフと男爵令嬢マリー・ヴェッツェラの心中事件(マイヤーリング事件)を題材にしたクロード・アネの1930年の小説『うたかたの恋』を原作としている。
ルドルフ:Charles Boyer(シャルル・ボワイエ)
マリー:Danielle Darrieux(ダニエル・ダリュー)
ダニエル・ダリューが19歳の頃に出演した映画です。
戦前の日本では皇室のスキャンダルを扱った作品として検閲により上映禁止とされ、戦後1946年になって初めて公開されたそうです。
その後1957年に、オードリー・ヘプバーンとメル・ファーラーを主演に起用し、テレビ映画『マイヤーリング』として再度映画化されました。
確かに、この男爵令嬢役を演じられるのはダニエル・ダリューかオードリー・ヘプバーンかもしれない。
タイプは違いますが、二人に共通するのは「気品」だと思います。
「ローマの休日」のオードリー
オードリー・ヘプバーンも大好きな女優のひとり。
フランス映画ではありませんが、彼女が出演する映画はほとんど観ています。
オードリーの圧倒的な個性とファッション性の高い映画は、ストーリー関係なく観る人を楽しませてくれます。
ですが、私の中でオードリーは「ファニーフェイス」と言われるように、どちらかというと美貌の持ち主というより可愛らしい妖精のイメージ。
ダニエル・ダリューは「白痴美」とも表現されていました。
「白痴」という表現はどうなんだろうと思いますが、そこに「美」がつくと、どうしても「美人だけど頭はからっぽ」というイメージを抱かれてしまいそうです。
現代ではあまり使われない言葉ですが、「白痴」とは以下の意味をさします。
- 精神遅滞の重度のもの。
- 知能の程度がきわめて低いこと。
ですが、ロシアの文豪「ドストエフスキー」の長編小説「白痴」では、白痴とよばれるほど純真無垢な魂をもつ貴族が、現実の社会の中でその美しい魂を破滅させていくさまが描かれています。
したがって、ダニエル・ダリューの「白痴美」は、この世のものとは思えないほどの美貌であることを表現したかったのかな?とも思いました。
私は、初めてみたときに「生きるフランス人形」だと思いました。
古き良き時代のフランス映画は、今の時代にこそ観ていただきたい映画だと思いました。
À bientôt! (またね!)
Madoriでした (´ー`)